皆さんは仙崎ちくわという食品をご存知でしょうか？
仙崎ちくわは山口県の老舗かまぼこ店である藤光海風堂が製造・販売している、黄金色と謳われるほど美しく焼き上げられた竹輪です。
この仙崎ちくわは、「焼き抜き」と呼ばれる伝統的かつ独自の手法で焼き上げられており、他に類を見ない風味を持っています。
今回は、そんな仙崎ちくわの特徴や発祥についてご紹介いたします。
目次
仙崎ちくわの特徴
仙崎ちくわは、山口県長門市にあって、藤光海風堂の屋号でかまぼこ店を営むフジミツ株式会社が製造・販売している竹輪です。
竹輪は魚のすり身に塩や砂糖などで味付けをした上で、竹などの棒に巻きつけて焼いたり、蒸したりした魚肉練り製品の一種です。
棒を抜くと筒状となって竹の切り口のように見えることから、この名で呼ばれています。
そのような従来の竹輪に対して、仙崎ちくわは、「焼き抜き」と呼ばれる独特の技法で焼かれていることを特徴とします。
焼き抜きは、山口県長門市の旧仙崎町に伝わる伝統的なかまぼこの製法で、板の下から火を当てて、間接加熱によって時間をかけながら少しずつ焼き上げてゆくのです。
また、仙崎ちくわは、原料として冷凍の魚のすり身ではなく、新鮮な鮮魚のすり身にこだわっています。
日本海に面して、漁業が盛んな町という旧仙崎町の立地の優位を活かし、毎朝漁港で水揚げされた魚をその日のうちにさばき、生の魚のすり身で竹輪を作ります。
そして焼き抜きによって、魚の天然の旨味を最大限に引き出すのです。
当然のことながらこの手法は大変に火加減が難しく、熟練した職人の手によって注意深く焼かれています。
こうして完成した仙崎ちくわは、直接火に当てることがないために濃い焦げ目を生じることがなく、黄金色とも称される、淡い黄色がかった色合いに仕上がるのです。
仙崎ちくわの発祥
山口県長門市の旧仙崎町は、日本海に面していて、沖合に青海島を臨む天然の良港であり、古くから漁業が盛んな地域でした。
そうした仙崎地区において、豊富に獲れる魚を使った練り製品が作られるようになるのは自然の流れでしたが、当地のかまぼこが一躍脚光を浴びることになるのは貞享年間(1684～1688年)のことでした。
当時、長州藩の五代目藩主毛利吉元へガマの穂状にして焼いたかまぼこを献上したところ、大いに気に入られたのです。
毛利吉元はこの仙崎かまぼこを特産品として、江戸幕府の五代目将軍徳川綱吉を初め、諸大名へ贈りました。
その結果、長州藩内のみならず、全国に仙崎かまぼこが知られるようになったのです。
そうして仙崎地区でかまぼこの製造が盛んになると共に、焼き方も工夫されるようになり、独特の焼き抜きの手法が編み出されました。
このような仙崎かまぼこの歴史の中において、仙崎ちくわを生み出すことになる藤光海風堂は、明治20年(1887年)に、創業者藤田久蔵によって藤光かまぼこ店として立ち上げられたのが始まりです。
以来、地元の伝統的な焼き抜きの製法を守りつつ、独自の工夫を凝らした製品を生み出し続けており、現在はフジミツ株式会社として仙崎ちくわを初めとした、魚肉練り製品の製造・販売に取り組んでいます。
また仙崎ちくわは、仙崎焼きとも呼ばれる仙崎地区の焼き上げによって作られた魚肉練り製品の代表格として、山口県内で広く販売されており、地元の人々に親しまれている他、贈答用の品として、また土産品と買われており、山口県の特産品として確固たる地位を築き上げていると言えるでしょう。
食べてみた感想
というわけで、近所のスーパーで仙崎ちくわを発見！
実際に味わってみるべく購入してみました。
とてもきめ細かい味わいで、かつ弾力に富んだ歯ごたえの良い食感です。
いつもの食卓のおかずに、お酒のつまみにと大活躍する安定感あるちくわですね。
通販で買える？
仙崎ちくわは、山口県長門市の本社工場に併設された藤光海風堂本店の他、山口市の名湯湯田温泉の温泉街にある湯田店、同じく山口市で新幹線駅である新山口駅構内にある新山口駅店の3ヶ所の直営店で販売されています。
また、山口県各地で土産品として販売されている他、インターネット上の各通販サイトでも取り扱っていることから、全国どこからでも購入が可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
まとめ
山口県のみならず日本でも有数のブランド竹輪と言える仙崎ちくわ。
伝統の技焼き抜きによって香ばしく焼き上げられた黄金色の竹輪は、新鮮な魚の旨味が濃縮された深い味わいに満ちていて、絶妙の歯ごたえのある弾力が食感を引き立てています。
お土産としても最適の商品と言えますので、旅行などで山口県を訪れた際には、是非一度購入してみることをお勧めいたします。