皆さんはかからん団子というお菓子をご存知でしょうか?
かからん団子は鹿児島県で製造・販売されている草餅の一種です。
現地では「かからん」と呼ばれているサルトリイバラ(あるいはサツマサンキライ)の葉で、柏餅のように包んでいるのが特徴で、地元で郷土の和菓子として広く親しまれています。
今回は、そんなかからん団子の特徴や発祥、食べた感想についてご紹介いたします。
品名 | かからん団子 |
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都道府県 | 鹿児島県 |
ジャンル | 郷土菓子、餅菓子、和菓子 |
製造者 | 複数社あり |
原材料 | 小豆、砂糖、餅粉、米粉、塩 ※(株)園田食品のかからん団子 |
賞味期限 | 約1ヵ月 |
カロリー | 100gあたり、331kcal ※柿原製菓のげたんは |
購入した場所 | 鹿児島市内のスーパー |
目次
食べてみた感想
というわけで、鹿児島市内のスーパーにてかからん団子を発見!
実際に味わってみるべく購入してみました。
さらし餡の上品な甘さに、餅のしっとりとした食感と葉の良い香りが合わさって、口の中に入れれば優しい味わいを楽しむことができます。
見た目から、けっこう甘いのかなって思っていましたが、意外と甘さ控えめで素朴で飽きにくいお菓子でした。


かからん団子の特徴
かからん団子は、鹿児島県の薩摩地方の中部から南部にかけてや大隅半島、種子島、屋久島で作られている草餅です。
その作り方としては、まず小豆から作られた餡を乾燥させて粉末状としたさらし餡に、餅米粉、砂糖、塩、水を加えて、耳たぶと同じぐらいの硬さになるまでよくこねます。
そうして出来上がった餅に、すり潰したヨモギの葉を加えて、草餅とし、手で丸くまとめて団子にします。
「かからん」と呼ばれ、鹿児島県では野山に広く自生しているサルトリイバラや同属のサツマサンキライの葉で両面を挟んで、蒸し器で20分ほど蒸せば、かからん団子の出来上がりです。
かからん団子の発祥
五月五日の端午の節句に厄除けとして食べることがお馴染みとなっている柏餅。
この柏餅を包む葉として用いられるカシワは、ブナ科コナラ属のドングリの一種で、北海道から九州まで広く分布しています。
ただし、比較的涼しい気候を好むため、西日本では標高の高い山間部を中心に見られ、平地ではあまり見られません。
そのため西日本では、サルトリイバラや同属のサツマサンキライの葉をカシワの代用として柏餅に使う地域が多くあります。
鹿児島県では地方名としてサルトリイバラやサツマサンキライを「かから(ん)」と呼んでおり、かからん団子の名前の由来となりました。
「かからん」という言葉は、サルトリイバラに棘があって触ると怪我をしてしまうことから、「触らないように」という忠告が「関わらないように」、「関わらん」と変化していったことが語源のようです。
この「かからん」は「病気にかからん(かからない)」という意味合いにも取れることから、縁起物としても重宝されました。
戦前の鹿児島県では、かからん団子は主に農村部で手作りされていた家庭的な大衆和菓子で、買うことは少なく、和菓子店では細々と作られて販売されているに過ぎませんでした。
しかし、今日では地元の特産品として見直され、鹿児島を代表する銘菓として各和菓子店で製造されるようになっています。
どこで買える?通販は?
元々各家庭で手作りされることが多かったかからん団子ですが、郷土の味として評価が高まると共に、鹿児島の銘菓として製造する和菓子店が増えています。
現在では、薩摩揚げの生産でも有名な株式会社敏太郎がかからん団子の製造にも取り組み、直営店として「かからん団子本舗敏太郎」を鹿児島市と霧島市の県内の3ヶ所に展開しています。
それ以外の各和菓子店でもかからん団子が作られており、鹿児島県各地の小売店や土産物で買い求めることができます。
また、インターネット上の各通販サイトでもかからん団子が取り扱われており、全国どこからでも購入することが可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
最後に
鹿児島県で地元の人たちに親しまれてきた、家庭的な和菓子かからん団子。
現在では、堂々たる鹿児島銘菓の一つとしての地位を確立しており、地元の人々が食べるだけでなく、観光客向けに土産品としても売り出されています。
もし旅行などで鹿児島を訪れる機会がありましたなら、縁起物でもあるかからん団子を一度味わってみてはいかがでしょうか?