国連が将来の食糧不足を見越して、昆虫食を提唱するようになったこの時代ですが、実は日本にも各地に昆虫を食べる文化が存在します。
長野県内でも蚕の蛹やイナゴなどはよく知られているものの、ザザムシの佃煮は県内でも伊那地方にのみ存在する食文化です。
今回は、長野の高級珍味であるざざむしについてご紹介させていただきます。
品名 | ざざむし |
---|---|
都道府県 | 長野県 |
ジャンル | 珍味 |
購入した場所 | 長野駅 |
旬の時期 | 12~2月 |
目次
ざざむしはどんな虫?
昆虫図鑑を持ってきて「ザザムシ」を探しても、見つけることはできません。
というのも、これは特定の種類の昆虫を指す名称ではなく、川に生息する水生昆虫の幼虫の総称であるからです。
具体的にはカワゲラの幼虫、トビゲラ、ヘビトンボなどの幼虫です。
これらは幼虫の時期を水中で藻などを食べて過ごし、成虫になるとトンボに似た姿となって陸上で暮らすようになります。
これらの幼虫は、川の中の石に張り付いており、長野県内に限らず全国各地の川でその姿を確認することはできます。
甘露煮を食べた感想!
というわけで、長野駅にてざざむしの甘露煮を発見!
実際に味わってみるべく購入してきました。
特別、変なクセや苦みなんかはないので普通に食べやすいですね。
味は甘露煮なので、馴染みある甘辛い感じです。
食感は、ちっちゃいエビに近いかな?
見た目で抵抗が出ちゃうのはよくわかるけど、機会があったら食べてみて欲しいですね~。


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ざざむしは冬の味覚
このようなザザムシ、実は高級食材で、その販売価格はわずか20〜30gで1000円を超えます!
200gで1000円のイナゴと比べるとその差は歴然ですね。
ザザムシの漁が行われるのは、12月〜2月のわずか3ヶ月。
誰でも自由に漁ができるわけではなく、地元の天竜川漁業協同組合の鑑札が必要です。
漁の時期を冬に限定するのは、水温が下がるこの時期、幼虫が餌である藻を食べなくなるため臭みがなくなる他、蛹になる直前で一番大きくなっていることが理由です。
このようなことからも、それほど簡単に手に入る食材ではないことがわかりますね。
時代とともに変遷する「ざざむし」の種類
ザザムシといえばカワゲラやトビゲラ、ヘビトンボの幼虫ですが、実は時代とともにその内容には変化が生じています。
現在天竜川でザザムシ漁をすると、捕獲されるのはほぼトビゲラの幼虫ですが、かつてはザザムシといえばカワゲラの幼虫が主流であったそう。
天竜川の水源である諏訪湖では戦後に大きく水質が変化しており、環境変化に弱いカワゲラはその数が激減してしまったのです。
よって味や食感にも変化があると言えます。
しかし近年は水質が改善されたこともあり、再びカワゲラが少しずつ増え始めているそう。
近い将来、伝統的なザザムシの味と食感が戻ってくるかもしれないですね。
通販はできる?
ネットショップでも購入することが可能です。
食べてみたいけれど、なかなか現地まで行くことができないという方はネットショップの利用がおすすめです。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
最後に
昆虫食の先駆けとなる可能性を秘めたザザムシ。
昆虫食=ゲテモノというイメージは根強いですね。
日本各地に存在した昆虫食文化が軒並み廃れていった中、この伊那地方のザザムシは今日まで絶えることなく存在し続けています。
漁師が高齢化しているという現実があるため油断はできないものの、昆虫食自体が現実的に社会に浸透してくることがないとは言い切れません。
そのときは昆虫食の先駆者として「伊那地方の」ではなく「これからをいきる人類の」定番食文化として急浮上するかもしれないですね。
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