皆さんは松浦漬という料理をご存知でしょうか?
松浦漬は佐賀県で作られている鯨の軟骨を使った酒粕漬けで、平凡社の百科事典において日本珍味五種に数えられたほどの珍味です。
今回は、そんな松浦漬の特徴や発祥についてご紹介いたします。
品名 | 松浦漬 |
---|---|
都道府県 | 佐賀県 |
ジャンル | 珍味 |
製造者 | 松浦漬本舗 |
原材料 | 酒粕、鯨のかぶら骨、砂糖、食塩、香辛料、調味用(アミノ酸等) |
賞味期限 | 製造日より90日間 |
購入した場所 | 長崎空港 |
お値段 | 180g1,296 円(税込) |
目次
松浦漬の特徴と製法
松浦漬は、イカなどの海産物で有名な佐賀県唐津市呼子町で、株式会社松浦漬本舗が製造している料理です。
鯨の上顎付近のかぶら骨と呼ばれる軟骨を細かく刻み、長時間水にさらすことで脂を抜いた後に、甘く調味した酒粕に漬け込むことで完成します。
この時に使われる酒粕は、全国屈指の酒処として知られている広島県東広島市西条から取り寄せられています。
西条から直送された酒粕は巨大なタンクの中で「粕踏み」と呼ばれる、足で踏みしめる仕込み作業が行われた後に、1年以上をかけて「寝かせ」と呼ばれる熟成が行われます。
こうしてじっくりと時間をかけて発酵させたことで旨みが濃縮した酒粕に、松浦漬本舗の社長自らが最終工程としての味付けを行います。
松浦漬の美味さの鍵とも言うべき味付け、その調合比率は創業以来代々の社長にのみ伝えられた家伝の秘法です。
こうして出来上がった松浦漬は、今では多くの観光客の舌を唸らせる逸品として、呼子町の名産品となっています。
食べてみた感想
というわけで、長崎空港にて「松浦漬 税込¥648」を発見!
実際に味わってみるべく購入してきました。
甘みのある酒粕の滑らかな舌触りと、かぶら骨のコリコリとした食感が絶妙です。
少し入っている唐辛子も、良いアクセントになっています。
ごはんのお供もいいですが、お酒のつまみにもピッタリでしょうね。
他の佐賀県の特産名産はこちら⇒佐賀県の特産名産
特産名産ランキングはこちら⇒ご当地特産名産ランキング!!!
松浦漬の発祥と歴史
現在ではイカで有名な呼子町ですが、江戸時代から明治時代にかけては主に捕鯨で栄えた町でした。
巨大な鯨は、解体されると、肉や内臓など、様々な部位ごとに切り分けられます。
その中で出荷されない部位は、地元住民に安く分配されていたのです。
そんな鯨の部位の中でも、松浦漬に使われるかぶら骨は、上顎付近の軟骨部分で、従来は利用価値がほとんどありませんでした。
せいぜい細かく刻んで刺身のつまとして用いられるぐらいだったと言われています。
そうした中、松浦漬本舗の創業者山下ツルは、かぶら骨が持つ独特の食感に注目しました。
かぶら骨を酒粕に漬け込むことを思いついた山下ツルは、試行錯誤の末に、酒粕の豊かな風味と独自の甘辛い味付けを組み合わせた松浦漬を生み出します。
酒の肴としてはもちろん、ご飯の友としても相性がよいかぶら骨の酒粕漬けはたちまち地元の評判となりました。
明治25年(1892年)に創業し、早くも明治40年(1907年)には「松浦漬」の名で商標を取得します。
こうして松浦漬は捕鯨の全盛期には庶民の味として大いに人気を博しました。
しかし、時代を経るごとに捕鯨を取り巻く国際社会の目が厳しくなり、昭和62年(1987年)には商業捕鯨が停止されてしまいます。
捕鯨の衰退で、松浦漬の原材料となるかぶら骨も手に入りにくくなり、価格が高騰してしまいました。
そのような厳しい環境下でも、松浦漬本舗ではメモ書きすら禁じる徹底ぶりで門外不出の秘法を守り、松浦漬の創業以来の伝統の味を今に至るまで受け継いでいます。
どこで買える?通販は?
松浦漬は袋詰めだけでなく、長期保存ができるように缶詰加工された商品も販売されており、佐賀県を中心とした各小売店の店頭で購入できます。
また、インターネット上の各通販サイトを通じて全国どこからでも購入することが可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
まとめ
かつて捕鯨基地だった呼子町の食文化が生み出した珍味松浦漬。
平凡社の百科事典において日本珍味五種に数えられたこの料理は、長期保存が可能なために、お土産としてもお勧めです。
旅行などで佐賀県を訪れた際には、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?
他の佐賀県の特産名産はこちら⇒佐賀県の特産名産
特産名産ランキングはこちら⇒ご当地特産名産ランキング!!!