皆さんは筏羊羹というお菓子をご存知でしょうか?
筏羊羹は高知県四万十市の老舗菓子店右城松風堂が製造・販売している羊羹菓子です。
四万十市と言えば、日本最後の清流と謳われる四万十川が中心部を流れる地。
筏羊羹はその四万十川の流れがもたらす恵みを表現した和菓子です。
今回は、そんな筏羊羹の特徴や由来と発祥についてご紹介いたします。
品名 | 筏羊羹 |
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都道府県 | 高知県 |
ジャンル | 和菓子、羊羹 |
製造者 | 右城松風堂 |
原材料 | 砂糖、小豆、水あめ、寒天 |
賞味期限 | 製造から4か月 |
購入した場所 | 高知県の道の駅 |
お値段 | 1本 170円(税込) ※2019年の時点での価格 |
目次
筏羊羹の特徴
筏羊羹は、右城松風堂が製造する細長い棒状をした羊羹です。
円筒状の羊羹自体は全国にいくつも存在していますが、筏羊羹はそれらと比べてもとりわけ細長い羊羹で、かつて四万十川で盛んに行われていた筏流しの木材の丸太をイメージして作られたそうです。
個人的には四万十川の名産であるウナギの細長い姿も連想してしまいますね。色も近いですし。
1つずつ手作業で流し込んで作られている筏羊羹には、北海道産の小豆が使われていて、清流四万十川の水でふっくらと炊き上げられています。
普通の四角い羊羹にはどこか重厚感が感じられて、かしこまった席でいただく高級菓子のイメージがありますが、筏羊羹は細長くて重みに欠けるため、いい意味で気軽に食べることができます。
紐を解いて、個包装の銀紙を向けば、チューペットのように底を押し出し、ニョキニョキと出てきたところへ齧りつけばよいのです。
もし途中で食べるのを中断しても、筏羊羹は銀紙で包んで残しておけるところがとても便利です。
食べてみた感想
というわけで、高知県のある道の駅で「筏羊羹 1本 税込170円」を発見!
実際に味わってみるべく購入してきました。
筏羊羹の文字がゴールドでかっこいいですね。
羊羹自体の舌触りがなめらかで、甘さも濃すぎずにさっぱりとした味わいで、あまり構えることなく食べられます。
この手軽さこそが、筏羊羹の最大の特徴なのかも知れませんね。
筏羊羹の由来と発祥
高知県四万十市の中心部を流れる四万十川は、日本最後の清流と謳われると共に、古くからこの地域の人や物の往来に使われてきた水運の川でもありました。
昔、道路の整備が不十分だった時代に、四万十川流域の人々は、山で切り出した木材を筏に組んで、炭や生活物資を載せながら、上流から下流まで運んでいたのです。
そのような光景は筏流しと呼ばれて地元の人々に長らく親しまれていました。
とりわけ四万十市の中村地区は水運の拠点として栄え、今も古くからの街並みが残されており、土佐の小京都とまで言われる町です。
そんな四万十市の街で、戦前から和菓子の製造を始めていた右城松風堂は、戦時中に一時満州へ移転していましたが、戦後に再びこの町へ戻って店を再開した、老舗菓子店です。
右城松風堂では、戦後の経済発展に伴って、鉄道や道路の整備が進んだことで失われていった筏流しの光景を懐かしみ、筏に使われていた木材の丸太をイメージした細長い棒状の羊羹を生み出しました。
それが筏羊羹です。
そうして誕生した筏羊羹も、今では地元の人々に親しまれ、四万十市を代表する銘菓として知られるようになりました。
どこで買える?通販は?
筏羊羹は、高知県四万十市の中村地区の中心商店街にある右城松風堂の本店ではもちろんのこと、四万十市内に留まらず、高知空港やJR高知駅、道の駅やスーパーマーケットなど、高知県内の各地で販売されており、気軽に購入することができます。
またインターネット上の通販サイトでも筏羊羹は取り扱われており、全国どこからでも取り寄せることが可能です。
⇒[高知]筏羊羹 - お取り寄せ。- – おとりよせ四国 ソラウミネット
最後に
日本に残された最後の清流とも言われる四万十川。
そして、そんな川の恵みを生かした筏流し。
日本の原風景とも言うべき、ふるさとの光景です。
そんな郷土への想いが込められた筏羊羹、高知県へ旅行などで訪れた際には、一度味わってみてはいかがでしょうか?
何しろ手軽に食べられる羊羹ですから、ちょっと行儀が悪いかも知れませんが、外を歩きながらでも食べることができちゃいますよ。