皆さんはあくまきというというお菓子をご存知でしょうか?
あくまきは鹿児島県や宮崎県、熊本県南部にかけての南九州一帯で食べられている和菓子で、冷めても硬くならない不思議な餅です。
今回は、そんなあくまきの食べ方、カロリーや賞味期限、栄養、特徴や発祥などについてご紹介いたします。
品名 | あくまき |
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都道府県 | 鹿児島県 |
ジャンル | 和菓子、餅菓子、郷土菓子 |
製造者 | 複数社あり |
原材料 | もち米、あく汁 |
賞味期限 | 常温で1週間程度、冷蔵で2週間程度 |
カロリー | 100gあたり、132kcal |
購入した場所 | 鹿児島市内のスーパー |
目次
買ってきました!実食レポ
というわけで、鹿児島市内のスーパーにてあくまきを発見!
実際に味わってみるべく購入してみました。
竹皮を開いてみるとこんな感じです。
まわりに結構くっ付くくらいベタベタしています。
今回は、きな粉と砂糖醤油で食べてみました。
プルプルとしたわらび餅のような食感です、
口に入れると、もっちりとしながら、もち米の粒々とした食感が楽しめながら、さらりと溶けてゆきます。
そしてお味の方は、あくまき自体には特に味はありませんが、灰汁による独特のえぐみと臭いといったクセがある、非常に個性的な和菓子ですね。
人によっては好き嫌いが分かれるでしょうが、この味わいは他の食品では体験することができないと思います。
旅行などで鹿児島県を訪れた際には、ぜひ一度あくまきにチャレンジしてみることをお勧めします。
あくまきの特徴と食べ方
あくまきは一晩灰汁(あく)に漬けておいたもち米を、同じく灰汁あるいは水に一晩漬けておいた孟宗竹の皮に包み込み、煮ることで作られます。
孟宗竹の皮が解けないように、麻糸や孟宗竹の皮を裂くことで作られた紐で縛り、3時間程度煮続けるのです。
煮られることでもち米は吸水して膨らみますが、孟宗竹の皮に包まれていることで吸水量が調整され、また灰汁のアルカリ性によって澱粉の糊化が進んで、粘りの少ない、わらび餅のようなプルプルとした餅に変化します。
また、同じくアルカリ性の作用で、茶色に色づき、独特の臭気を持つようになります。
あくまきは灰汁を用いるためにミネラル成分が豊富ですが、漬けおき時間や煮込み時間の不足で灰のアルカリ性が足りないと、餅化が進まずボソボソとした食感になってしまいます。
ただし、あくまきの臭気など、独特の癖も抑えられるため、苦手な人にとってはむしろ食べやすくなる場合もあります。
あくまきの癖を抑えながら柔らかさを出すには、上質な灰汁を使うことが重要だと言われており、樫のような硬木の灰が上等とされています。
工場においてあくまきが大量生産される場合には、灰汁の代替品として、炭酸カリウムと炭酸ナトリウムの水溶液が用いられることが多いようです。
あくまきは孟宗竹の皮に包むのが原則ですが、奄美大島では竹皮の代わりに、晒しの布袋を筒状にしたものを用い、灰汁に漬け込んだもち米を入れてから口を縫ってふさぐ手法で作られます。
布袋を使うことで大きさが調整でき、孟宗竹の皮を使った場合より小さなあくまきを作ることができるのです。
完成したあくまきは、味付けをしていないためにほぼ無味です。
そのために砂糖入りのきな粉や、白砂糖、三温糖、黒砂糖粉、砂糖醤油などで甘みを加えて食べるのが一般的です。
人によっては、蜂蜜や溜まり醤油、わさび醤油、ココアパウダーをかけることもあります。
あくまきには、臭気に加えて、独特のえぐみのような味があり、人によって好き嫌いが分かれる食品です。
常温で食べるのが一般的ですが、冷やすとえぐみが弱まり、苦手な人でも食べやすくなると言われています。
あくまきの発祥と歴史
あくまきの発祥には諸説ありますが、薩摩藩島津家が、文禄元年(1593年)の朝鮮出兵、あるいは慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いに際して、日持ちする食糧として作ったのが始まりとされています。
他にも農家が田植えの時期に作った保存食、たまたま焚き火に落としたおにぎりが腐らなかったことから考案された説、平家の落人が伝えた説など、様々です。
そんな中で、あくまきは地元では「粽(ちまき)」と呼ばれていて、端午の節句に食べられること、中国の粽に「栀粽」と呼ばれるものがあり、材料や製法、色や形があくまきと似ていることなどから、日本に最初に伝わった粽がこの地域にだけ残存したという説も有力視されています。
歴史上では明治10年(1877年)の西南戦争で、西郷隆盛が保存食としてあくまきを持参しており、これをきっかけに薩摩藩の外にあった宮崎県北部や熊本県南部に、あくまきが普及しました。
ただし、あくまきは家庭で作られることが多く、人によって好き嫌いが分かれること、端午の節句に食べる季節菓子であるために、長年一般的な販売は行われてきませんでした。
それが近年では核家族化・都市化によって作り手が減ったことと、九州新幹線の開通をきっかけに観光地としての価値を高める独自性が高い郷土菓子が求められるようになったことで、地元業者による製造が盛んとなりました。
主に、従来こんにゃくを製造していた業者が、あくまきの生産に取り組んでいます。
カロリーや賞味期限、栄養は?
カロリーは?
100gあたり、132kcal
賞味期限は?
常温で1週間程度、冷蔵で2週間程度
あくまきは長時間煮ることで滅菌が行われ、また孟宗竹の皮の成分やアルカリ環境による抗菌作用も合わさっていて、水分が多いのに日持ちの良い食品です。
常温で1週間程度、冷蔵でも2週間程度は保存できる上、最近は持ち運びや衛生面から真空パックにされた商品も販売されています。
冷凍保存も可能なため、あくまきは土産品として買って帰るのにとても優れたお菓子と言えるでしょう。
また、あくまきには、
・神経や筋肉の働きに作用するカリウム
・骨や皮膚組織の形成に作用するマンガン
といった栄養が主に含まれているようです。
どこで販売されてる?通販は?
あくまきは家庭で作られることもありますが、地元の食品メーカーによる量産品が、鹿児島県のスーパーマーケットや土産物店などに置かれるようになっています。
また各通販サイトでも取り扱いが行われており、全国どこからでも取り寄せることが可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。