観光地のお土産物屋さんや商店街にあるお饅頭屋さんのガラス張りの店頭で、油で銅の色に光る円形台を中心に、何やら複雑な機械が小さなお饅頭を焼き上げてはクルクルと運んでいるのを誰でも一度は見た事があるでしょう。
あのお饅頭が「都まんじゅう」です。
そして、高知県には「都まん」というお菓子があります。
今回は、都まんの特徴や発祥についてご紹介させていただきます。
品名 | 都まん |
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都道府県 | 高知県 |
ジャンル | 和菓子、まんじゅう |
製造者 | (有)都まん |
賞味期限 | 製造日から7日 |
購入した場所 | 高知市内のスーパーマーケット |
目次
高知名物「都まん」
「都まん」は高知市の都まん本舗(有限会社 都まん)が製造販売している、高知では有名なお饅頭です。
都まん本舗の創業は昭和28年。
高知で「都まん」といえば都まん本舗のそれという位に、高知の人にとっては身近なお菓子です。
今川焼と呼ばれる(地方によって大判焼き、回転焼き、タイコ焼きなどとも称されていますが)平たい円筒形のお饅頭と同じ形ですが、大きさが随分と小さくなります。
生地はカステラ風で、中身の餡は小豆餡ではなくて白餡。
都まんの都まん本舗
都まん本舗では、小麦粉、砂糖、卵、ハチミツなど昔からある素朴な材料で昔ながらの味を保ちながら、焼き具合など製法を工夫した独自の美味しさを追及しています。
防腐剤や保存料は一切使わないので、賞味期限は少々短くなってしまいますが、子供からお年寄りまで全ての人が安心して、あのしっとりフワフワで優しい甘みを味わえるのです。
都まん本舗のホームページには、「食物アレルギーをお持ちの方へ。白あん、小麦粉、砂糖、卵、ハチミツが含まれています」と大書きされており、この優しさがそのまま「都まん」の味なのでしょう。
ちょっとユニークなのがオリジナルの焼き印です。
お饅頭の表に押されている「都まん」をデザイン化した焼き印の部分を、顧客のオリジナル焼き印で作る事ができます。
デザインは文字でも図柄でも工夫次第。
ちょっと数が多いお土産や冠婚葬祭のお使い物、お店の開店祝いのサービス品やお祭などの行事の配りものなど、何でもアイデア次第です。
もちろん焼き印は実費が必要でその製作だけで一か月程かかりますが、一度作ると何度でも使えるから便利です。
都まんの発祥
店先でよく見かけるあの「都まん」を作る機械は、昭和10年頃に福岡県の城野鉄工所が開発したと言われており、お饅頭製造機だけではなくてこの製造機で作ったお饅頭を地元で売り出すと人気がでました。
その後東京に進出すると全国的にも評判となり、機械と共にお饅頭も全国に普及していったといいます。
詳しくはわかりませんが、商品名についている「都」の文字は、東京に初進出する際に付いたとも伝わっています。
日本のあちこちで同じ機械で同じ様なお饅頭が製造されるのですから、1988年頃から価格競争が激しくなり、各製造会社でオリジナルな味の工夫開発が進みました。
一方で価格を下げる為に品質の悪いお饅頭も出てくるという弊害もあり、都まん本舗では自社独自の味と品質を守る為に「都まん」に商標権を登録したのです。
だから同じ様なお饅頭はたくさんありますが、「都まん」は高知の都まん本舗だけのお饅頭なのです。
よく似たお饅頭が全国に
高知では「都まん」ですが、発祥の項で説明した通り同種のお饅頭は日本全国にたくさんあり、一般的には「都まんじゅう」と呼ばれています。
「都まんじゅう」の名で売っているお店は、
・かるたや(上野)、中村屋(浅草)、つるや製菓(平塚市)、すずや(茅ヶ崎)、大阪都まんじゅうの夢操庵(大阪市)
などです。
また店名や土地名を使った名前もあり、
・「とうまん」丸井今井(札幌)、「さいか屋まんじゅう」さいか屋(横須賀)、箱根まんじゅう」菊川商店(箱根湯本)、「カステラ饅頭」秋芳堂(浜松)、「ロンドン焼き」ロンドンヤ(京都)、「秋穂まんじゅう」道の駅あいお(山口)、「井筒屋饅頭」小倉井筒屋(北九州)、「千両饅頭」鶴屋百貨店(熊本)、「金生饅頭」山形屋(鹿児島)
などなど数多くあり、他にも紹介し切れないほどたくさんの「都まん」と同じ種類のお饅頭が日本中で売られています。
横浜にある美里屋の「みやこまん」は「都まん」と同じ品名の様ですが、平仮名と漢字の違いです。
ちょっと面白いのは香川県高松市の「都まん」。
琴電の瓦町駅近くにあるお店で、看板も高知の「都まん」と同じ都まん本舗ですが、高知の本家本元と関係は不明です。
でも口コミでは「都まん」と一緒に売っている、海苔たっぷりのおにぎりと出し巻き卵が評判のお店です。
出し巻き卵は、甘みのある関東風と甘さのない関西風の両方を扱う拘り方でなかなかの人気です。
高知と高松では少々離れていますが、「都まん」の食べ比べと共に気になる出し巻き卵です。
食べてみた感想!
というわけで、高知市内のスーパーマーケットにて都まんを発見!
実際に味わってみるべく購入してみました。
賞味期限は、製造日から1週間ほどとのこと。
手に持ってみると生地はしっとりしながらもふんわりと柔らかいです。
割ってみると中には白あんがたっぷり。
お味の方は・・・白あんの控えめな甘さが口いっぱいに広がり、どこか懐かしさも感じるやさしい味です。
直径5~6センチほどの小ぶりサイズなので、気軽に食べれるのも嬉しいですね。


高知の都まんは通販で買える?
都まんは、公式ホームページから通信販売で購入することも可能です。
興味のある方は、下記のバナーから公式ホームページをチェックしてみてください。
最後に
お土産にすると楽しい「都まん」
「はい、高知名物」と他府県の人に「都まん」をお土産にするときっと楽しい事になるでしょう。
包を開けたその人の口からは、「え? これ○○だよ?」とその土地に普及している「都まん」の名前が飛び出すに違いありません。
「違う違う。小さい時からずっと△△って言ってたよ。」と言い張るあなた。
子供の頃から馴染みのある「都まん」の懐かしい美味しさは、そんな幼い時の昔話をしながら味わうのにとても相応しいお饅頭ではないでしょうか。