皆さんは源氏巻というお菓子をご存知でしょうか?
源氏巻は島根県津和野町で製造されている、とても上品な姿をした茶菓子です。
その名の通り平安時代に書かれた源氏物語にちなんだ逸話を持っていて、とても由緒あるお菓子と言えるでしょう。
今回は、そんな源治巻のカロリーや賞味期限、特徴や発祥についてご紹介いたします。
品名 | 源治巻 |
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都道府県 | 島根県 |
ジャンル | 和菓子、郷土菓子 |
製造者 | 複数社あり |
原材料 | 小豆餡、小麦粉、卵、砂糖、水飴、蜂蜜、練乳、粉末油脂、トレハロース、粉寒天、大豆脂、膨張剤、香料 ※沙羅の木の源氏巻 |
賞味期限 | 製造から5~10日 |
カロリー | 1つ当たり約250kcal ※沙羅の木の源氏巻 |
購入した場所 | 山口宇部空港 |
お値段 | 1つ300円ほど |
目次
源治巻の特徴
源氏巻は、島根県津和野町で江戸時代から製造・販売されているお菓子です。
きつね色に綺麗に焼き上げたカステラ状の薄い生地の皮に餡を包み込んだものですが、平べったく長方形の姿をしているのが最大の特徴。
そして中に入れる餡は、豆沙餡と言って、小豆を煮詰めたものを使うのが伝統です。
最近では抹茶風味の餡や、白いんげん豆を使ったもっちりとした白餡を用いるなど、製造する菓子店によっては工夫を凝らした商品が登場しています。
こうして作られた源氏巻は、茶菓子としてよく用いられます。
食べてみた感想
というわけで、山口宇部空港にて「沙羅の木 津和野銘菓 源氏巻 税込¥270」を発見!
実際に味わってみるべく購入してきました。
こしあん、白あん、抹茶あんの3つの味がありましたが、今回はこしあんにしてみました。
キレイで品なあるパッケージですね。
パッケージ裏面には、源氏巻の歴史が書かれていました。
外側を覆う薄い皮は、絶妙な焼き加減でしっとりときめが細かく、弾力もあって、手に取るとまるで吸いつくようです。
お味の方は、皮と一体となったこし餡の口どけが良く、芳醇な香りと甘みを楽しめます。
あったかーいお茶との相性は抜群でしょうね。
源治巻の発祥と歴史
源氏巻の誕生は、江戸時代の元禄年間(1688~1704年)にまで遡ります。
当時、石見国にあった津和野町一帯は、津和野藩として江戸時代初期から幕末に至るまで亀井氏が治めていました。
そして元禄年間。3代目の藩主であった亀井茲親は3度に渡って、朝廷からの勅使の饗応役を務めたことで知られています。
その中でも元禄11年(1698年)に饗応役を務めた際、指南役であった高家の吉良上野介こと吉良義央に接待についての教えを請いましたが、義央は教えないばかりか、逆に愚弄する態度を取りました。
この陰湿ないじめに堪忍できなくなった茲親が殿中刃傷に及びそうになったところを、藩の家老であった多胡真蔭が機転を利かせて、小判をカステラのように平たい生地に包んで義央に進上し、機嫌を取り結びます。
結果、この賄賂に喜んだ義央は態度を一変させ、茲親に勅使の接待方法を丁寧に伝授しました。
茲親は無事に勅使饗応役を務め上げて、藩に騒動が起こるのを阻止することができました。
ちなみに吉良義央は3年後の元禄14年(1701年)にも播磨国赤穂藩主浅野長矩に対しても同様の諍いを起こし、江戸城松の廊下で斬りつけられる事件を引き起こした挙句に、取り潰された赤穂藩の浪士たちに討ち入られて無残な最期を遂げます。
これが有名な赤穂事件であり、忠臣蔵の物語です。
こうして無事に危機を乗り越えた津和野藩では、記念に小判の代わりに餡を包んだお菓子を作り、めでたいものとして扱うようになりました。
そして幕末期、藩の御用菓子司がこの菓子への銘名を願い、紫色の餡を詰め込んで藩主へ献上しました。
その際、藩主の夫人が紫色の餡に感銘を受け、平安時代に紫式部が書いた『源氏物語』の「若紫」に登場する和歌「手に摘みていつしかも見ん紫の根に通ひける野辺の若草」を詠みました。
この出来事にあやかり、「源氏巻」と名づけられたと言われます。
カロリーや賞味期限は?
カロリーは、1つ当たり約250kcal
賞味期限は、製造日から5~10日
となっているようです。
通販で買える?
江戸時代からの由緒あるお菓子として、津和野町の人々に古くから愛されてきた源氏巻。
現在でも10軒余りの菓子店が製造・販売を行っています。
実際に製造に当たっている津和野町の各菓子店の店舗はもちろんのこと、地域を代表する銘菓として土産物店などでも源氏巻は販売されています。
また、インターネット上の各通販サイトでも源氏巻を取り扱っており、全国どこからでも購入することが可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
最後に
城下町として栄えた津和野町は、山間の小さな盆地に昔ながらの街並みが残っていて、山陰の小京都としても知られています。
日本の百名城にも数えられる津和野城は、建物こそ失われてしまいましたが、山上に堅固な石垣や堀といった遺構が残されており、多くの歴史ファンを惹きつけています。
そんな歴史と文化の薫る町を訪れた際には、是非この由緒ある源氏巻を食べたいものですね。