時代を超えて伝わる数々の伝統工芸品。
その中に、熊本県の郷土玩具「木葉猿(このはざる)」というものがあります。
今回は、木葉猿の特徴や歴史についてご紹介させていただきます。
品名 | 木葉猿 |
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都道府県 | 熊本県 |
ジャンル | 伝統工芸品 |
見てきた場所 | 熊本伝統工芸館 |
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目次
木葉猿とは
木葉猿は熊本を代表する伝統の郷土玩具です。
素焼きの焼き物で製作された、表情豊かな愛らしい猿の形をした素朴でモダンな置物です。
古くから魔除け・厄除け・子孫繁栄の守り神として地元の方達から親しまれ愛されてきました。
木葉猿は、唯一の窯元である永田家で昔ながらの製法で手作りされています。
型や機械を使わず、熟練の技術を持つ人の手から生み出されています。
その技法は「手びねり」と言い、小さな土の塊を巧みな技で愛らしくユーモラスなお猿さんの形に作っていきます。
深い味わいのある土色を出すために、一度800℃~900℃の高温の窯で焼成した素焼きの物を煙で燻しています。
土づくり・お猿さんの形を作る・焼成・完成までに様々な工程を経て、時間をかけじっくり丁寧に仕上げられている工芸品です。
神秘的な由来
木葉猿の起源はとても古く養老7年(723年)、今から1295年も前の奈良時代前期にまで遡ると言われています。
当時、虎の歯(このは)と呼ばれる里に都から逃れた4人の落人が隠れ住んでいました。
4人の落人の元旦の夢枕に立った老翁は奈良の春日大明神をお祀りするようにと告げられました。
落人は木葉山から取れる赤土の粘土を用い祭器を作り春日大明神に捧げました。
そして残った土を捨てところ猿に化け飛び去って行きました。
4人でその猿の事を不思議がっていると3mの背丈の赤い顔の巨人が現れ、「木の葉の土でましろ(猿)を造れば幸せになる」と言い残し去っていきました。
「これは神様のお告げに違いない」と信じ早速祭器と猿を製作し神様にお供えして以来、天変地異など数々の苦難が襲ってきてもこの4人は無病息災で幸せに暮らせたという言い伝えが残っています。
その事から木葉猿は地元の山で取れた赤い粘土を使い製作されています。
江戸時代には薩摩藩の参勤交代の道中に近い木の葉の里で製作される木葉猿が、お土産品として人気を博し全国各地へ広がり様々な場所で親しまれました。
江戸時代後期に、曲亭馬琴が書いた有名な小説「南総里見八犬伝」の挿絵にも登場しています。
大正5年に開催された「全国土俗玩具番付」では東の横綱という栄誉に輝きました。
バリエーション豊富
素朴な味わいの木葉猿には、彩色が施されたカラフルな物も有ります。
絵具の色は厄除けの意味のこもった白・群青・赤の3色です。
素焼きの木葉猿のプリミティブで素朴な雰囲気を壊さずに、ポップでモダンな雰囲気を引き出した絵付けが大きな魅力となっています。
形も「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿や子供を抱っこした子抱き猿、持つ人がご飯に困らないようにとの願いを込めた飯食い猿等10種類ほどのバリエーションが有ります。
それぞれ可愛くて素朴な魅力が沢山詰まっているのでどれを買おうか迷ってしまいますね。
どこで買える?通販は?
木葉猿は熊本県内の伝統工芸館・都内の民芸品を扱うお店でも購入出来ます。
価格は小さなものだと600円~
熊本県伝統工芸館
〒860-0001
熊本県熊本市中央区千葉城町3-35
電話:096-324-4930
定休日:月曜
現地で買うなら窯元の永田家を訪れてみるのも良いですね。
7代目永田禮三氏とそのご家族3人でこの可愛らしい木葉猿の伝統を守っていらっしゃいます。
木の葉猿窯元
熊本県玉名郡玉東町木葉60
営業時間 8:00-19:00
電話 0968-85-2052
また、木葉猿は通信販売で購入することも可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
まとめ
神様のお告げで作られたという神秘的で霊験あらたかな置物として、昔から厄除けや子宝に恵まれると人気が有る木葉猿。
最近ではモダンでプリミティブなオブジェとして若い世代や海外の方のファンも増えてるんだとか。
古くから有る郷土玩具が現代の生活やインテリアにもマッチするとは本当に素敵です。
現代の人々が求める可愛らしさ・素朴さ・力強さが木葉猿のデザインに凝縮されていますね。
※使用している写真は、熊本伝統工芸館にて許可を得て撮影したものです。
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