長野のご当地グルメ「牛乳パン」をご存じですか?
「牛乳パン」は県南部の伊那地方を発祥とするご当地パンで、60年以上の歴史を持ちます。
県内各地で販売されているますが、メディアで取り上げられたり、ヤマザキなど大手の会社からも販売されるようになったこともあり、今ではその知名度も高くなっています。
銀座にあるアンテナショップでも人気商品で、県内各地の店舗の牛乳パンを日替わりで購入することができるのです。
今回は、牛乳パンのカロリーや賞味期限、特徴や発祥などについてご紹介させていただきます。
目次
牛乳パンの特徴は?
長方形の厚みのあるパンにクリームを挟むというスタイルが一般的ですが、その大きさやクリームの量などは販売店舗によって異なります。
「牛乳パン」という名前の通り、パンの生地そのものにも牛乳が練り込まれ、また挟まれているクリームにも牛乳が使用されています。
県内の店舗で販売されている商品については、そのパッケージにも特徴があり、白い半透明のパッケージに「牛乳パン」の文字とイラストが描かれているものが多いようです。
コッペパンに似た食感で、長野県民でなくてもどこか懐かしさを感じるソウルフードです。
牛乳パンの発祥と歴史!
牛乳パンは、客へのイレギュラー対応で生まれたヒット商品だったそう。
開発者となるパン職人は、伊那市内のパン屋で働いていました。
午前5時頃にパンを焼く準備をしていたところ、開店前にも関わらずパンを大量に求める客が来店。
「どんなパンでもいいので売ってください!」というその客に対し、彼はパン粉にするために取っておいたパンにケーキ用のバタークリームを挟んだものを用意して渡しました。
これが評判となり、正式に商品化したところ飛ぶように売れる結果となったのが、牛乳パンの発祥とのことです。
牛乳パンは、その店オリジナルのヒット商品となりました。
当時このパン屋の社長は、長野県パン組合の理事長だったこともあり、県下の同業者向けに牛乳パンづくりの講習会を思いつき開発者を説得します。
はじめは乗り気でなかった開発者もこの社長の熱意に押され、講習会に講師として登壇。
これがきっかけとなって牛乳パンは県内各地で作られるようになり、一地域のパン屋のヒット商品にすぎなかった「牛乳パン」が一躍県民のソウルフードになったのです。
改良をかさねて真の「牛乳パン」に
実はこの「牛乳パン」、初めて登場してから10年もの年月をかけて試行錯誤を繰り返し、材料や焼き方などが改良されて現在の形になったのです。
このパンが世に出たのは今から実に60年以上前。
当時、牛乳は高級品で簡単には入手できませんでした。
事実、最初に作られた元祖「牛乳パン」はバタークリームが挟まれたもので、見た目こそ牛乳らしかったが本物の牛乳は入っていなかったようです。
貴重品だった牛乳が、実際に材料として使われるようになったのは、この商品が大ヒットした翌年以降のことです。
あんぱんが10円で買えた当時、牛乳パンの値段は20〜25円ほどしたそうですよ。
カロリーや賞味期限は?
カロリーは?
100gあたり348kcal(ばんのわの牛乳パン)
賞味期限は?
2~3日
食べた感想
というわけで、長野市内のスーパーにて牛乳パンを発見!
実際に味わってみるべく購入してきました。
生地は、ふんわり柔らかく食感がいいですね。
中のクリームは甘すぎず食べやすいお味。
後味として、ふわっと牛乳の風味が口の中に広がる感じが心地よくておいしいです。
ボリュームたっぷりなので、何人かでシェアするか何回かに分けて食べるのがいいかもしれませんね
最後に
昭和の時代背景を今に伝える牛乳パン。
私たちからすれば、一見するとそれほど斬新な外見でもなく、牛乳とパンという組み合わせにも特別感を感じることはないかもしれません。
しかし、牛乳が貴重品だった当時、このパンを初めて目にした長野県民は何を感じたのでしょう。
長野県といえばその広さや成り立ちから、同じ県でも北信と南信は全く別世界であると言われる県でもあります。
その長野県で、県下共通のソウルフードとしての地位を築いた「牛乳パン」は、厳しい時代を共に生きた当時の県民たちの豊かさへの憧れを、形にして今に伝える究極のグルメなのかもしれませんね。
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