福島県の郷土料理「裁ちそば(たちそば)」を知っていますか?
できあがって出てくる蕎麦は普段と変わらない見た目なのですが、製法がとても独特なものなんです。
今回は、裁ちそばの作り方と作られている風土を合わせてご紹介していきます。
目次
どんなそばなの?
裁ちそばは、つなぎ一切使っていないそばです。
蕎麦を打つときに使うのはそば粉と熱湯と水だけ。
まずはそば粉に熱湯をかけ橋を使って混ぜ合わせられます。
全体的に混ざったら、水を回し入れこねていきます。
捏ねあがったものをいくつかに分けて丸め、さらにこね上げていきます。
できた生地は薄くだいたい2㎜くらいの薄さに丸く延ばしていきます。
全ての生地を同じように伸ばしていきます。
生地はどんどん重ねていきますが、間にはくっつかないように打ち粉をしてあるんです。
そして最大の特徴でもある切り方です。
そばを切るときは畳んだそばに板を当てて包丁を添わせるイメージがありますが、裁ちそばでは板は使いません。
板の代わりになるのは自分の手です。
左手を定規のように使い、包丁を寝かせながら引いて切っていきます。
この方法がまるで布の裁断に似ているため「裁ち」という名前がついたのです。
女性が打ってきたそば
福島県は昔からそば処として知られています。
県内でも地方によって「ねぎ箸そば」など特色のある蕎麦があります。
「裁ちそば」は福島県の中でも檜枝岐村(ひのえまたむら)で作られているものです。
この地域は日照時間の短い高地に位置しており、お米を育てるのには適さない地域でした。
そんななかでも、山で採れる食材を使っておいしいものを作ろうと山人(やもうど)料理という文化が発展しました。
そばは米の代わりに栽培されていたものだったのです。
山人料理のなかに裁ちそばも含まれています。
力のいるそば打ち作業ですが、檜枝岐では女性の仕事とされてきました。
「そばを上手に打ててこそお嫁に行ける」とまで言われたほどです。
板でぐっと抑えてリズミカルにそばを切ることなく、スッと包丁を引いて切る仕草を思い浮かべると確かに女性のらしいような気がしてきます。
作り手がそもそも女性といわれれば納得の繊細な作業です。
裁ちそばは出されたらすぐ食べるべし
裁ちそばを畳まないで切るのには、折りたたむと蕎麦が割れてしまうからという理由があります。
そば粉100%なので切れやすくもろいためです。
ですので提供されたそばは鮮度が命となってます。
時間が経つとどんどん伸びてしまいますしブツブツ切れやすくなってしまいます。
蕎麦が表面の水分を吸ってしまう前に食べきるのが鉄則です。
また蕎麦湯は蕎麦のうま味がたくさん染み出て濃厚な味わいになっています。
もし飲めるようならぜひ堪能してみてください。
カロリーや賞味期限は?
カロリーは?
100gあたり339kcal(二八の裁ちそば)
賞味期限は?
製造日より1年間(二八の裁ちそば)
食べた感想
というわけで、福島県のスーパーで裁ちそばを発見!
実際に味わってみるべく購入してきました。
今回購入したのは「池森修一×奈良屋の池森そば二八の裁ちそば」です⇓
1袋の中に1.9・2.4・3.5mmの3種類の麺が入ってるため、食感が面白いです。
そして、香り、のど越し、ともに乾麺とは思えない美味しさですね。
スーパーで買えるそばとしてはかなりハイレベル。
冷やしおろしそばで食べるのが良さそうなそばでした。
通販で買える?
ネットショップでも購入することが可能です。
食べてみたいけれど、なかなか現地まで行くことができないという方はネットショップの利用がおすすめです。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
最後に
いかがでしたか?
今回は福島県の桧枝岐村で作られている「裁ちそば」をご紹介しました。
現地では山人料理と合わせて楽しめる飲食店も多いです。
フルコースで堪能するもよし、蕎麦と合わせてサイドメニューとして注文できるお店もあります。
また、裁ちそばは乾麺として流通しているので気になる方はチェックしてみてくださいね。
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