丁稚(でっち)羊羹という羊羹を知っていますか?
名前だけは知っているという人は結構いるでしょう。
年配の方なら食べた事のある人も多いのではないでしょうか。
それでは、丁稚羊羹って何?と質問されて答えられる人はどれだけおられるでしょうか?
今回は、少し丁稚羊羹の世界を覗いてみましょう。
品名 | 丁稚羊羹 |
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都道府県 | 滋賀県 |
ジャンル | 和菓子、羊羹 |
製造者 | 複数社あり |
購入した場所 | 滋賀県のスーパー |
目次
滋賀県特産の丁稚羊羹
丁稚羊羹は関西全域で食べられていますが、特に滋賀県が特産として有名です。
滋賀県内の道の駅には必ず滋賀県名産として丁稚羊羹が並んでいます。
滋賀県は昔の近江の国です。
一番近い大都会は都の京都や商都大坂で、近江の農家の次男坊の多くが京都大阪に丁稚奉公に出ましたから、たくさんの農家で丁稚羊羹が作られたのかもしれません。
そう考えると丁稚羊羹の名の由来に納得してしまいます。
また海のない国である近江ではテングサが入手し難い為に、昔ながらの蒸し羊羹が多く残ったとも言われます。
老舗と呼ばれるお店がそれぞれ自慢の丁稚羊羹を作っていますが、お店毎に味や風味の特徴があって食べ比べるのも一興です。
因みに福井県では水羊羹が非常によく食べられています。
夏の菓子というイメージのある水羊羹を、冬に多く食べるという珍しい県です。
そして福井県内でも大野市など一部の地域では、水羊羹の事を丁稚羊羹と呼んでいます。
買ってきました!実食レポ!
というわけで、滋賀県内のスーパーマーケットの和菓子コーナーにて丁稚羊羹を発見!
実食するべく購入してきました。
賞味期限は購入日から3週間ちょっとでした。
口に入れてみると、一般的な羊羹に比べると少し硬めでしっかりとした歯応えです。
甘さは控えめなので、甘いものがあまり得意ではない方でも大丈夫ではないかと。
ほんのりと竹の皮の香りがするのも良いですね。
あっさりとした上品な口あたりでとても美味しく、あつーいお茶が欲しくなるお菓子でした!


羊羹の歴史と種類
羊羹の発祥は中国です。
その漢字の如く、羊の羹(あつもの)即ち羊肉のスープです。
冷えるとゼラチンが固まってプルプルの煮凝りになります。
日本には禅僧が鎌倉から室町期に精進料理の一つとして持ち帰ったとされており、羊肉の代用に小豆を使用したのが日本の羊羹の始まりとなっています。
この初期の羊羹は、小豆から作った餡を小麦や葛粉を混ぜて蒸し上げる「蒸し羊羹」です。
豊臣秀吉の時代に寒天の材料であるテングサを使う製法が発明され、これを「練り羊羹」いいます。
江戸期に入ると羊羹と言えば練り羊羹を指すほど練り羊羹が普及しました。
またその水分量を増やしたものが「水羊羹」として分派します。
一方、羊羹の元祖である蒸し羊羹は地方や下層民の中で安物として生き残り、「丁稚羊羹」の名で今日まで続いて来ました。
丁稚羊羹の名前の由来
丁稚とは商売を覚える為に商家に入った少年の事です。
商売人世界における昔の一種の徒弟制度があり、その第一歩が丁稚奉公でした。
家父長制だった頃の日本では、農家でも商家でも家の職業を継げるのは長男でしたから、次男以下の男児は家を出て他に生計を立てなければなりません。
その一つが、丁稚奉公から始まる他家の商家で働いて商売を覚える事でした。
丁稚は入った商家に泊まり込んで働きます。
労働基準法など無い時代ですから休みは盆と正月だけで、当然帰省できるのはこの時のみです。
貧しい農家(日本の大部分がそうでした)では休みが終わって商家に戻る子供に、母親が奉公先の手土産にと持たせたのが、竹皮で包んだ安価な蒸し羊羹でした。
丁稚がよく持ってくる羊羹で、丁稚羊羹となったといわれます。
一説には、逆に郷里への土産として、お金のない丁稚達が買ったからともいわれています。
他にも、丁稚程度の者が食べる安物の羊羹という説や、材料の小豆の出汁(でじる)だけを使っていたのでそれが訛ったという説もあります。
いずれにしても元々はあまり良いイメージではない羊羹でした。
素朴が素敵な丁稚羊羹
丁稚羊羹は今でも多くが竹の皮で包まれています。
普通の練り羊羹を食べる時はよく爪楊枝で刺しますが、隣の羊羹とくっ付いて取りにくいし、なんか不安定で食べ難く思ったことはありませんか?
丁稚羊羹は、竹の包を開かずにそのまま包丁で適当な大きさに切ってやると、食べる時に竹皮ごと摘まめるのでとても食べ易いのです。
竹皮の素朴な香りが丁稚羊羹の魅力の一つなのは勿論ですが、こんな食べ方にもお袋の羊羹を偲ばせる素朴で素敵な羊羹です。
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