「山鹿灯籠」は熊本県山鹿市に伝わる伝統工芸品です。
山鹿市は古くから豊前街道の宿場町として栄え、山鹿温泉には今も古い町並みが残り市民の憩いの場として愛されてきました。
今回は、山鹿市に古くから伝わる伝統工芸品「山鹿灯籠」についてご紹介します。
品名 | 山鹿灯篭 |
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都道府県 | 熊本県 |
ジャンル | 伝統工芸品 |
見てきた場所 | 熊本伝統工芸館 |
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目次
山鹿灯籠の特徴
山鹿灯籠は国の伝統工芸品に指定されている熊本県の歴史ある工芸品です。
その始まりは室町時代にまでさかのぼると言われており、現代まで600年以上もの間灯籠師と呼ばれる職人さんたちによって大切に受け継がれてきました。
山鹿灯籠の特徴は、和紙と少量の糊しか使用していないということです。
形を整えたりするために通常使用される木や金具は一切使用していません。
しかしその作品は紙のみで作られたとは思えないほどの迫力と美しさを兼ね備えているのです。
様々な様式の作品
山鹿灯籠で代表的なものといえば、金灯籠です。
灯籠まつりで踊り子さんたちが頭にかぶるのも金色や銀色をした金灯籠です。
山鹿灯籠には金灯籠のほかにも宮造り、寝殿造り、座敷造り、城造り、矢つぼなど様々な様式の作品があります。
金閣寺や姫路城など実在する建物を縮小した作品も多く、細部まで細かく作られています。
実際の建物の縮尺より縦横の比率を微妙に変化させることで、上から眺めた際よりリアルに見えるようにしているそうです。
山鹿灯籠の歴史
山鹿灯籠の始まりは、はるか昔第十二代天皇である景行天皇の時代までさかのぼると言われています。
景行天皇が山鹿を訪れる際、霧で道がわからなくなってしまったそうです。
その際、山鹿の里人が松明をかかげて大宮神社まで道案内をしたことに由来しています。
その後、大宮神社には松明が献上されて火祭りが行われていたのですが、今から600年前室町時代からは和紙で作られた金灯籠が奉納されるようになったそうです。
この金灯籠が山鹿灯籠の始まりだと伝えられています。
山鹿の和紙工芸
山鹿灯籠には、山鹿で作られた和紙が使用されています。
山鹿には良質な水があり和紙の原料となる楮が自生していました。
そして、江戸時代に加藤清正が朝鮮から紙漉き職人を連れ帰り和紙を作らせたことにより、山鹿の和紙工芸が発達し広まっていきました。
その上質な和紙を使用することにより、山鹿灯籠は発展し現在の宮造りや城造りのような様々な様式の作品が作られるようになりました。
山鹿で作られた和紙を使用した工芸品には、うちわや和傘など身近な作品も数多くあります。
山鹿灯籠を伝える灯籠師
山鹿灯籠の伝統と技術を受け継ぎ、灯籠を制作する職人さんを灯籠師と言います。
一人前の灯籠師になるには10年以上の月日がかかると言われており、現在6名の灯籠師と3名の灯籠師見習の職人さんがいます。
かつては女人禁制の世界でしたが、現在では女性の灯籠師の方も活躍しています。
灯籠師になろうと思ったきっかけは、灯籠教室や山鹿灯籠へのあこがれなど様々のようですが、それぞれの灯籠師の方が日々伝統を守るために精進されています。
灯籠まつりでは、灯籠師の方たちによって制作された30基ものの灯籠が奉納されます。
山鹿灯籠まつり
8月中旬には山鹿灯籠まつりが行われます。
頭に山鹿灯籠の金灯籠をかぶった女性たちが、「よへほ節」に合わせて舞い踊ります。
「主は山鹿の骨なし灯籠 よへほよへほ 骨もなけれど肉もなし よへほよへほ」という調べは、山鹿灯籠の和紙と糊のみで制作されているという特徴をよく表していると言えます。
夜になると金灯籠に明かりが灯され、それらをかぶった女性1000人が踊る千人灯籠踊りは幻想的で毎年多くの観光客が足をはこぶ山鹿の夏の風物詩となっています。
山鹿灯籠制作体験
山鹿灯籠民芸館では山鹿灯籠づくりを体験することができます。
山鹿灯籠まつりで使用される金灯籠のミニチュアを制作して、山鹿市を訪れた思い出にしてみてはいかがでしょうか。
制作キットが用意されており、灯籠師の方が完成までついて教えてくれるので安心です。
金灯籠専用のケースも用意されているので、制作した後は自宅に飾ることもできます。
実物大の四分の一の大きさですが、山鹿灯籠のもつ美しさはそのままに再現されています。
まとめ
熊本県山鹿市に古くから伝わる伝統工芸品「山鹿灯籠」についてご紹介させていただきました。
和紙だけでできているとは思えないほど美しく精巧な山鹿灯籠をぜひ一度鑑賞してみてください。
8月中旬に行われる山鹿灯籠まつりでは、金灯籠だけでなく灯籠師の方が制作した様々な様式の山鹿灯籠を見ることができるので、まつりを楽しみに山鹿市を訪れてみるというのもおすすめです。
※使用している写真は、熊本伝統工芸館にて許可を得て撮影したものです。
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