畳のある和室に入ると、ふんわりと香る畳の香りに心癒されたという経験は皆さんありますよね。
最近はフローリングの住宅が増加し、畳の部屋がある住宅は減少してしまいましたが、近年畳のよさが見直されてきています。
そんな畳の材料となっているのはイグサ(藺草)です。
イグサの生産量全国一位は熊本県だという事をご存知でしょうか?
今回は熊本県におけるイグサの歴史や生産についてご紹介します。
目次
熊本のイグサ
イグサはイグサ科に属する単子葉類の植物です。
日本では昔から畳の表面に使用される畳表と呼ばれる織物の原料として使用されてきました。
以前は、広島県や岡山県などイグサの栽培に適したたくさんの地域でイグサが生産されていましたが、安価な中国産イグサの登場や洋風家屋の普及に伴いイグサを生産する地域は減少していきました。
現在では国産イグサの割合は3~4割だといわれています。
減少を続けている国産イグサですが、その生産の9割以上は熊本県で生産されているのです。
熊本県でのイグサの生産は500年以上の歴史があり、品種改良などを行うことによってニーズに合ったイグサを生産し続けています。
熊本イグサの歴史
熊本県でイグサの生産が始まったのは500年以上前だといわれています。
1505年に現在の八代群千丁町大牟田にある上土城の城主だった岩崎主馬忠久がイグサ栽培を奨励したことが始まりでした。
こうして熊本県でイグサの栽培が始まったのですが、当時は身分の高い人しか畳を使うことが許されておらず、イグサを生産できる地域も限られていました。
明治維新以降畳の使用が一般にも許されるようになり、イグサを生産する田畑も増加していきました。
その後、畳表の生産の機械化に伴いイグサの生産量は飛躍的に増加し、現在では全国生産の9割以上を占めるほどになりました。
イグサの栽培方法
イグサの生産は苗を育てるところから始まります。
育てた苗を11月に掘り出して収穫まで本田と呼ばれる水田に植えつけて育てます。
冬の間除草や水量管理を行い、5月になると育ったイグサの先端を切り落とす先刈りを行います。
収穫の65日前に先刈りを行うことによって根元まで日が当たり、新芽の発育が促されます。
その後、伸びたイグサが倒れないように網張りが行われます。
イグサは成長すると150cmほどにもなるため、何度も網の高さが調整されます。
6月下旬から7月中旬にかけて成長したイグサの収穫が始まります。
収穫されたイグサは天然染土で泥染め、乾燥された後、長さごとに選別され織り機にかけられます。
こうして畳表に使用される畳表が完成します。
イグサ畳のすごい効果!
伝統的な畳の原料として知られるイグサですが、実は色々な効果があるということをご存知でしょうか。
イグサには二酸化窒素やシックハウス症候群の原因となる有害物質を吸着するという特徴があります。
部屋の空気を浄化してくれるので、小さな子供がいる家庭などにおすすめです。
また保温や断熱性に優れているので冬場でもフローリングなどと比べて足元も暖かく過ごすことができます。
畳の上を歩いてもひんやり感じないのは、イグサの保温性のおかげなのです。
イグサには湿度調節という機能もあり、湿度が高いと水分を吸収し、乾燥すると水分を放出して室内の湿度を調節してくれます。
また、音を吸収したり、衝撃を吸収したりする効果もあるので、マンションやアパートなど他人や自分の生活音が気になる空間には良いのではないでしょうか。
食用イグサは栄養豊富!?
畳などに使用されるイメージが強いイグサですが、現在では食用としても利用され始めています。
食用と言ってもそのまま食べるわけではなく、イグサを粉末にした製品や麺に練りこんだ製品などが発売されています。
イグサにはビタミンやミネラル、アミノ酸などが豊富に含まれており、食用としての商品開発が進められています。
様々な栄養成分の中でも、イグサには特に妊婦さんに必要な葉酸が豊富に含まれており注目されています。
ノンカフェインなので、安心して使用することができるのも嬉しいところです。
また、食物繊維も豊富でなんとレタスの60倍も含まれているそうです。
食べられるだけでも意外なのに、栄養まで豊富とはビックリですよね。
藺草麺とイ草胡麻ふりかけを食べてみた!
というわけで、熊本県の道の駅にて藺草麺とイグサふりかけを発見!
実際に味わってみるべく購入してみました。
まずは、藺草麺を食べてみます。
勝手に緑色の物を想像していましたが、普通に白い麺でした。
原材料とカロリー表です。
美味しい茹で方も裏面に載っています。
書いてる通りにやっていきます!
まず強火で2分茹でて・・・
火を消し蓋をして8分ほど待ちます。
水で洗い流しお皿に盛って完成!
麺はよく噛むとほんのりと甘さを感じ、癖や臭いもなくとっても食べやすいです。
もちもちした食感で、口当たりも良いですね。
パスタやうどんの代わりなど、いろいろな場面で使えそうですね。
つづいて、イ草胡麻ふりかけを食べます!
香ばしい胡麻とイグサの風味がしょうゆ味に良くマッチしています。
ご飯によく合う和風ふりかけなので、子供から大人まで楽しめそうな味ですね。
栄養も取れると思えば、とってもおすすめなふりかけですよ。


最後に
熊本県のイグサについてご紹介させていただきました。
イグサが畳の原料だということは有名ですが、食用として利用されているとは驚きでした。
畳を食べるの!?って思っちゃうかもしれませんが、変な癖もなく普通に美味しく食べられましたよ。
食物繊維などの栄養も豊富に含まれていますので、野菜不足が気になる人にもおすすめです。
また、イグサには空気浄化や保温、湿度調節など嬉しい効果がたくさん備わっています。
畳を取り入れるのは難しいかもしれませんが、イグサを使用したマットなどもありますので、これを機にイグサ製品を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?