鹿児島県で食べられている「しゅんかん」という郷土料理をご存じですか?
なかなか聞き馴染みのない名前の料理かもしれません。
今回は、しゅんかんとはどんな料理なのか、そのルーツについてもご紹介します。
品名 | しゅんかん |
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都道府県 | 鹿児島 |
ジャンル | 郷土料理 |
食べた場所 | 鹿児島市のホテルの朝ごはん |
目次
どんな料理なの?
しゅんかんは鹿児島県に伝統的に伝わる郷土料理です。
簡単に言うと、豚バラ肉とたけのこ、根菜などを使った煮ものになります。
しゅんかんは「春羹」という漢字で書かれることもあります。
「羹」はあつものとも読み、熱い汁物という意味を持っています。
つまり春の食材で作る熱い汁物。という意味なのです。
今でも春先やお盆などの時期に作られることが多く、給食のメニューとしても提供されています。
食べた感想
というわけで、鹿児島市のホテルの朝ごはんで、しゅんかんを発見!
実際に味わってみました。
醤油と出汁の味が染みてて、ほっこりする美味しさですね~。
あっさりめの味付けだったので、とっても軽く食べやすいです。
しっかり面取りしてあるので、口当たりも優しい。
日本人なら嫌いな人はいなさそうな、馴染みやすい郷土料理でした。
ルーツは中国。京都をめぐって鹿児島へ
しゅんかんはもともとは中国から伝来した料理です。
伝わってきたときは「笋羹」という漢字を使っていました。
江戸時代のころに、禅寺の僧が日本人に伝授した珍しい異国の精進料理が、江戸や京で懐石料理となり殿様が食べるようになりました。
昔は豚肉ではなく猪の肉を使っていたということですから、それだけ高貴な食べ物であったことがうかがえます。
そして鹿児島にも伝わり、ときの殿様だった島津公も食べていた料理です。
その後、時代とともに庶民にも食べられるようになり、春の祝いの料理として定着していきました。
「春羹」の他にも「筍羹」「筍寒」などの字があてられることがありますが、筍をメインにした煮物という基本的なコンセプトに変わりはありません。
作り方は?お家で作ってみよう!
用意する材料は
豚バラのブロックか角切り肉 200g
たけのこの水煮 1個
大根 1/4本
人参 1本
ごぼう 1本
干ししいたけ 4個
調味料がだし汁600cc・醤油大さじ2・砂糖大さじ1・日本酒大さじ3です。
材料と肉と野菜はすべて大きめにカットします。
しゅんかんはおもてなしでつくられる料理です。
野菜はしっかり面取りをするようにしましょう。
この後長く煮込むので、見た目がまったく違ってきます。
大根・人参・筍は下茹をし、しいたけと調味料を入れた鍋で煮込みます。
全体的に火が通たら豚肉を加えて10分程度煮込んだら完成です。
しっかりめの味がお好みなら、豚肉を取り出して別に濃い目の調味料で煮込む方法もあります。
最後に
いかがでしたか?
今回は鹿児島の各家庭で食べられている郷土料理「しゅんかん」をご紹介しました。
根菜の煮物のルーツが実は中国の精進料理だったんです。
精進料理をはるか遠い江戸や京のお殿様が食べ、巡り巡って九州のお殿様に伝わり、今では地域の家庭の味として食卓に並ぶなんて不思議ですよね。
鹿児島を訪れた際は、ぜひ食べてみて下さいね。