皆さんはレタス巻きという食べものをご存知でしょうか?
レタス巻きは宮崎県を発祥とする巻き寿司の一種で、元々は野菜嫌いな人が野菜を食べられるようにするために考案された料理です。
今回は、そんなレタス巻きの特徴や発祥についてご紹介いたします。
目次
レタス巻きの特徴
レタス巻きは宮崎県を中心に、その周囲を含めた九州南部一帯で製造・販売されている巻き寿司で、太巻きの具として生のレタスと茹でた海老を使い、味付けとしてマヨネーズを用いたものです。
具は海老だけでなく、カニかまやシーチキン、イカ、明太子などを使うことも多く、全国的にはレタスと一緒に海鮮ものの具を一緒に巻いた巻き寿司をサラダ巻きと呼ぶことが一般的となっています。
作り方は普通の巻き寿司と変わることなく、海苔の上に広げた酢飯に、新鮮なレタスと、下茹でした海老の身、そして味付けのソースとしてマヨネーズを載せて巻くだけです。
家庭でも簡単に作れる料理と言えるでしょう。
ただし、レタスのシャキシャキとした食感を損なわないように、力を入れ過ぎず程よい力加減で巻くのがポイントとされています。
レタスのシャキシャキ感と海老の身のプリプリ感を、酸味の効いたマヨネーズの風味で包み込み、更にパリパリの海苔と甘い酢飯が加わって、混然一体となった味わいを楽しめるのがレタス巻きです。
地元宮崎県では、これに少し甘めの醤油をつけていただくのが一般的です。
レタス巻きの発祥
レタス巻きが生まれた場所は、宮崎県宮崎市松山町にあって、大淀川にほど近い宮崎観光ホテルの北側に隣接した老舗寿司店『一平』です。
昭和41年(1966年)、『一平』初代店主であった村岡正二氏には、平尾昌晃氏という友人がいました。
この平尾昌晃氏は歌手、作曲家として活動しており、当時ミッキー・カーチス、山下敬二郎と共に「ロカビリー三人男」として人気を博していた人物で、「星は何でも知っている」や「ミヨチャン」といった大ヒット曲を生み出していました。
しかし、平尾昌晃氏には野菜が嫌いという深刻な悩みを抱えていました。
それを何とか解決して、美味しく野菜を食べられるヘルシーな寿司を作ろうと、村岡正二氏が考案したのがレタス巻きだったのです。
当時は、寿司にマヨネーズを使うという斬新さに抵抗感を覚える人も多くいましたが、その美味しさが知られるにつれて認知度も高まり、現在に至るサラダ巻きや変わり種巻きへと繋がる原点となりました。
現在多くのレタス巻きは、味付けとして市販品のマヨネーズを使っていますが、『一平』では、しゃり(酢飯)の味付けに合わせて毎朝手作りしたマヨネーズを使っており、「一平のすしマヨ」としてオリジナルブランド商品化されています。
世間的には、サラダ巻きの一種としてレタス巻きがあるという認識を持つ人が多くいますが、上記の通り、実際の起源としてはレタス巻きが先に誕生し、そのスタイルを発展進化させることでサラダ巻きが登場したのが正しいと言えるでしょう。
このような誤解が広まったのは、それだけレタス巻きが、サラダ巻きと名を変えることで全国的に普及している証左とも言えます。
食べてみた感想
というわけで、宮崎県にある道の駅日向にてレタス巻きを発見!
実食するべく購入してみました。
レタスのシャキシャキ感とエビのぷりぷり感が、食べていて心地いいですね。
そして、マヨネーズの酸味と酢飯がよく合います。
冷めても美味しいからお弁当にもピッタリだと思いますよ。


どこで食べられる?
宮崎県や、更に県境を越えて九州南部一帯ではレタス巻きが庶民の味として定着していて、地元のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、総菜店で普通に売られるばかりでなく、家庭料理としてもよく作られています。
当然のことながら寿司店や居酒屋のメニューとしても一般的で、焼酎のつまみとしてもよく食べられています。
また、全国的には、レタス巻きではなくサラダ巻きという名称で、一般的な料理として定着しつつあり、小売店の寿司売場だけでなく、家庭でも気軽に作れる料理として、多くの人に食べられるようになっています。
まとめ
レタス巻きは宮崎県を中心に製造・販売されている巻き寿司で、具にレタスと茹でた海老を使いマヨネーズで味付けしたものです。
友人の野菜嫌いを治してあげたいという想いによって生み出された『一平』のレタス巻き。
その登場をきっかけに、寿司業界では様々な食材を利用した『変わりダネ』と呼ばれる寿司が登場しました。
友情をきっかけとしたレタス巻きの誕生は、日本の巻き寿司文化の可能性を拡げる大きなムーブメントとなったと言え、日本料理史における特筆すべき出来事だったと言えるでしょう。