お饅頭だ思ってパクリと食べてみるとなんと中が空っぽ。
アンコ入れ忘れ?と思いきや、ちゃんと甘くて美味しくて、変なお菓子と思う人もきっと多いでしょう。
このお菓子が一口香というお菓子です。
初めて一口香の菓子名を聞いた人は、どんなお菓子なのかまだ想像できないでいると思います。
それでは銘菓一口香をご紹介しましょう。
品名 | 一口香 |
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都道府県 | 長崎県 |
ジャンル | 郷土菓子 |
製造者 | 複数社あり |
原材料 | 小麦粉、水飴、上白糖、加工黒砂糖、蜂蜜、ごま、重曹 |
賞味期限 | 製造から90日 ※茂木一まる香本家の一〇香 |
カロリー | 100gあたり375kcal ※茂木一まる香本家の一〇香 |
購入した場所 | 長崎空港 |
目次
一口香の読み方
一口香は「いっこうこう」と読みます。
所によっては「いっこっこう」と少し、言い易く訛る?こともある様です。
長崎特産のお菓子ですが、同じ読みのお菓子が佐賀にもあり、佐賀の「いっこうこう」は逸口香と書きます。
少し場所が飛んで、愛知県でもよく似たお菓子が作られていて、こちらは一口香に名が使われています。
どんなお菓子?
パッと見はいわゆるお饅頭です。
場所によって大きさと形が違っていて、長崎・一口香は大きさも形も一口饅頭で、佐賀・逸口香は平べったくて大きい太鼓饅頭。
愛知のは一番小さくて丸く、500円硬貨位の大きさです。
食感は長崎のものは外皮がパリッとしていて、愛知はサクサク。逸口香の外皮だけが少し柔らかめです。
一口香の特徴は、中がガランドウになっていることです。
何も入っていない様に見えますが、黒糖をベースに蜂蜜などを加えた餡がちゃんと入っています。
でも焼く時に餡が溶けて外皮の内壁に張り付いてしまうので、一見は餡がなく空っぽに見えるというわけです。
一口食べると香ばしい甘さが口中に広がることが、一口香の名の由来と伝わっています。
また、中に何も入っていないのに、食べると甘くて美味しい味がするので、カラクリまんじゅうとも紹介されています。
大きさによるものか、愛知・一口香だけはそれほど空っぽというほどではありません。
食べてみた感想
というわけで、実際に味わってみるべく一口香を購入してきました!
今回購入したのは、「長崎銘菓 茂木一まる香本家の 一〇香 5個入 税込¥540」です。
温めると美味しいそうですが、電子レンジは厳禁との事なので注意しましょう。
見た目は饅頭みたいです。キレイですね。
内側には溶けた餡が染み込んでいます。
中は空洞ですが外は結構堅いので、歯の悪い人は注意が必要ですね。
お味の方は、名前の通り一口食べると香ばしさと甘みが口いっぱいに広がります。
生地の底に練りこまれている胡麻も香ばしさの秘訣でしょうね。
最近はテレビでも紹介されたとのこと。
「カラクリまんじゅう」と言われるのも納得な独特で珍しいお菓子なので、お土産にしたら喜ばれるのではないでしょうか?
作り方
小麦粉と水飴が主原料の皮で、黒糖・水飴・上白糖やゴマその他の入った餡を包んで焼き上げます。
熱で餡が沸騰、膨張、熔解する事で外皮が丸く膨らみ、餡が皮の内側に張り付いてガランドウの一口香が出来上がります。
逸口香では、備前藩の倹約令によって上砂糖の使用は御法度だったので、生姜風味の黒糖が使用され、現在でもこの餡が主流です。
歴史
はっきりとはしませんが、中国・山西省で食べられている空心餅という、一口香同様に中が空っぽの餅が起源ではないかという説があります。
ただし空心餅は菓子ではなく、中空の中に肉野菜を詰めて食べる伝統食ですが、日本に伝わる過程で日本特有の甘い餡に変化したのでしょうか。
江戸後期に長崎で作られ始めた頃には唐饅頭という品名だったのはそのためなのかもしれません。
一口食べると香ばしく美味な香りがすることから命名されたという一口香は、江戸時代初めに尾張藩主が命名したという話も伝わっており、長崎よりずいぶん前に尾張で作られていた可能性もあります。
余談ですが、四国・愛媛には唐饅頭という名の、一口香と製造方法が酷似した焼き菓子がありますが、もしかすると一口香から枝分かれしたものかもしれません。
江戸時代に書かれた菓子の製造方法の中に、一口香とほとんど同じ製法の胡麻餅という菓子があります。
中が中空であったり、胡麻を使う点が一口香と類似していますから、これも一口香と歴史的に関係があることも考えられます。
因みに胡麻餅は胡麻菓子とも呼ばれ、中が空っぽなことから「ごまがしーごまかす」の語源ともいわれています。
カロリーや賞味期限は?
茂木一まる香本家の一〇香のものですが、
カロリーは、100g当たり375kcal
賞味期限は、製造日から90日
となっています。
通販で買える?
一口香は通信販売で購入することも可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
最後に
一口香のイメージが分かって貰えたでしょうか?
ちょっと面白いお菓子なので、一度は経験してほしいものです。
元々は長崎市の郷土菓子だったのですが、平戸や島原などの長崎県全般で食べられ、また作られる様になりました。
通販で取り寄せできるものもありますから、是非、面白お菓子の一口香を経験してみて下さい。