皆さんは坊っちゃん団子というお菓子をご存知でしょうか。
坊っちゃん団子は見た目も可愛らしい3色の串団子ですが、その名から推察されるように夏目漱石の有名な小説『坊っちゃん』に由来し、愛媛県松山市で製造・販売されている銘菓です。
今回は、そんな坊っちゃん団子の特徴や由来、カロリーや味の感想についてご紹介いたします。
目次
坊っちゃん団子の特徴
坊っちゃん団子は、日本三古湯の一つとして有名な愛媛県松山市の道後温泉の名物となっているお菓子です。
多くの和菓子店が坊っちゃん団子を作っているため、店によって様々なタイプの坊っちゃん団子がありますが、主流となっているのは米粉を砂糖や水飴で練り上げた求肥餅を一口サイズに丸めて、3個を串刺しとしたものです。
3個の団子は、それぞれ抹茶餡、黄身餡、小豆餡によって緑色、黄色、茶色の鮮やかな3色からなっており、見た目もカラフルで可愛らしいデザインをしたお菓子となっています。
このように3種類の団子が1本の串に刺されていることで、それぞれ異なる味わいを楽しめるのが坊っちゃん団子の最大の特徴と言えるでしょう。
坊っちゃん団子は、夏目漱石の名作に由来することもあって、地元では広く親しまれており、また現在では、道後温泉など愛媛県の観光地の土産品の定番とも言える地位を確立しています。
坊っちゃん団子の由来
日本を代表する文豪夏目漱石。
その夏目漱石は明治28年(1895年)に愛媛県尋常中学校(現在の愛媛県立松山東高校)へ、静養を兼ねて英語教師として赴任しました。
松山市は、夏目漱石の同窓生で、多大な影響を与えた正岡子規の故郷でもありました。
その時の体験に基づいて、明治39年(1906年)に雑誌『ホトトギス』に発表された、中編小説が『坊っちゃん』です。
江戸っ子気質で血気盛んで無鉄砲な新任教師坊っちゃんが愛媛県松山市へ赴任し、破天荒に活躍する様を描いた坊っちゃん。
他の夏目漱石の作品に比べても大衆的な小説で広く読まれており、過去に何度も映画やテレビドラマなどで映像化されている作品です。
そんな坊っちゃんの作中に、「大変うまいと云う評判だから、温泉に行った帰りがけに一寸食ってみた」という団子屋が登場します。
当時、伊佐庭如矢町長の発案によって、道後温泉本館の東側の丘上で振鷺園という庭園内の風詠館と名づけられた茶店が営まれており、そこの名物が湯ざらし団子でした。
赤餡と白餡の団子を3つ串に刺したもので、「一串5錢で非常にうまい」と評判だったとされています。
松山市に赴任していた当時の夏目漱石も、その団子を実際に食べて美味しかった経験から、小説に描いたのでしょう。
坊っちゃんが小説として有名になると共に、作中で描かれている団子にも注目が集まるようになり、昭和年間に入ってから「坊っちゃん団子」と呼ばれるようになりました。
なお、坊っちゃんの作中では団子屋は色町(遊郭)の入口にあるという設定ですが、現在でもかつての色町への入口の道は残されています。
ただし、その角は商家と民家で、団子屋は残っていません。
現在では坊っちゃん団子は多くの和菓子店・製菓会社で製造されていますが、いち早く世に出したのは道後温泉街にある「つぼや菓子舗」とされています。
しかしながら、現在最もよく売られているのは「うつぼ屋」の商品で、より日持ちすることが特徴です。
カロリーは?
カロリーは?
一串当たり、約100kcal
食べてみた感想!
というわけで、松山市内のスーパーにて坊っちゃん団子を発見!
実際に味わってみるべく購入してみました。
今回購入したのは、亀井製菓の坊っちゃん団子です。
色合いもキレイで楽しいですね。
割ってみました。
求肥餅が入っていますね。
緑色の抹茶餡は、お茶の香りと苦みが効いていて、やや甘さ控え目の上品な風味。
黄色の卵黄を用いた餡は、柔らかな食感と卵独特のこくのある旨味。
茶色の小豆餡は、誰もが慣れ親しんだオーソドックスなこし餡の滑らかさと甘み。
やはり、3つの味が楽しめるのは嬉しいですね!
あったかーいお茶が欲しくなるお菓子でした。


どこで買える?通販は?
坊っちゃん団子は現在では愛媛県を代表する銘菓として知られており、発祥の地である道後温泉の商店街はもちろんのこと、松山市内各地の土産物店やホテル旅館で販売されており、JR松山駅や松山空港といった交通の要衝でも購入することが可能です。
また坊っちゃん団子は各通販サイトでも取り扱っており、全国どこからでも取り寄せることができます。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
まとめ
夏目漱石の「坊っちゃん」に登場したことがきっかけで注目され、地元を代表する銘菓となった坊っちゃん団子。
決して狙ってのマーケティングによって浮上したのではなく、小説にたまたま取り上げられたという偶然によって知られるようになり、ブランドを確立したという点でとても興味深い歴史を持つお菓子です。
坊っちゃんという不朽の名作とのコラボレーションに成功した坊っちゃん団子は、これからも長く愛され続けることでしょう。